日亜連にまた一人原付を欲しくなった者が出現
学生なのでもちろん金はない、予算は３万
とりあえずヤフオクを物色する

祈「これなんてどう？埼玉発で今10000円」
竹「どれどれ…自家塗装？！左右に転倒歴あり？！走行中鍵が抜ける？！ﾋｨｰ」
祈「どれもこれもゴミばっかりだな」
竹「そこらへんに放置してあるゴミ同然の原付ってあるじゃん、それ貰えないかな？」
祈「さすがにタダってわけにはいかないだろうけど、まあ安く売ってもらえるかもな」
諸「さすがに虫が良すぎるんじゃないかｗ」


でもまあダメ元で近所を散策
探せばあるもんでそこらじゅう放置原付だらけである
放置されているかどうかは自賠責保険のステッカーを見れば一目瞭然なのだ


しかし目当ての原付は少ない
ディオとかレッツとかケツ上がりのスクーターは多いんだけれど
今回探しているジョルノとかジョーカーみたいなのは少ない
とりあえず見つけ次第持ち主との接触を試みる


「あ、１階に放置してあるジョルノって乗っていませんよね？持ち主とお話がしたいのですが」
「もしもし突然すみません、アパート前に放置してあるビーノは…」
「あのすみません、このスクーピーって乗ってないんですか？」
「あそこのジョーカーはストリートビューに写ってなかった」
「○×アパートのアドレスは６月１０日に撤去するらしいからその前に電話だ」
「ディオ多すぎだろいい加減にしてくれ」
「ボロいくせに自賠責28年」
「もう勝手に持って行っていいんじゃね」


なかなかうまくいかない日々
そんなある日１台のジョルノを発見した
会社のごみ捨て場みたいな場所にひっそりと隠れていた
これは間違いなく乗ってないぞ！チャンスだ！


祈「もしもし、階段下のジョルノって…」
「あー、それ直して乗るんだよねー」


orz


しかし


「もう１台放置してる原付あるんだけど、そっちだったらいいよ。今見に行ってもいいよ」


事態は急展開！何という良い人なんだ！
早速教えてもらった住所へ駆けつける
スズキの原付と言っていたが何だろうか
ヴェルデ、セピア、ＺＺ、大穴でガンマ？
レッツやチョイノリだったら嫌だなあ
そしてそこにあったのは


レッツ２


orz


状態もあまり良くない
丁重に断ってその場を後にする



その帰り道
しょんぼりしながら自転車をこいでいると
路地裏に奇天烈なバイクを発見


竹「MOLLET…モレット？」
祈「初めて見るなこんな原付」
竹「でも最近シャリーとか、昔のお買い物バイクって値段上がってるんだぜ。交渉の価値ありだ」
祈「そうなのか？で、いくらだったら買うんだ？」
竹「うーん…０円…」
祈「それは無理だろ。じゃあ15000円だな」ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
祈「突然すみません、この原付乗られていないのでしたらぜひ欲しいのですが」
家主「無料で持っていってくれるんですか？」



ポカーン



家主「明日なら名義人が家にいるので明日またよろしくお願いしますね」



ハイタッチをして喜ぶ俺たち
それは就活戦争の末に遂に手にした内定のようであった



かくして我々はスーパーモレを手に入れたのである